〜オステオパシー的に見る内臓と呼吸器の関係〜
「鼻づまりが治らない」「鼻炎じゃないのに片側だけ詰まる」
そんな症状を訴える患者さんの中に、「以前盲腸(虫垂炎)をやったことがある」「便秘がち」「下腹部に違和感がある」といった背景を持つ方が少なくありません。
一見、お腹と鼻なんて何の関係もなさそうに思えますが、オステオパシーという視点から見ると、実は両者は膜や神経、リンパ、姿勢を通じて密接に関係していることがあるのです。
本記事では、「盲腸と鼻詰まりの関係性」をオステオパシー的な視点から紐解き、さらにアレルギー性鼻炎の原因や施術・セルフケアのヒントまでお伝えします。
盲腸(虫垂)の役割とは?
「盲腸(虫垂)はもう不要な器官」と言われていたのは昔の話。
近年の研究では、虫垂は腸内細菌の貯蔵庫としての役割や、免疫系の調整にも関わっていることが分かってきています。
虫垂は右下腹部(腸の始まり部分:回盲部)に位置しており、腸間膜や腹膜、腸腰筋とも連続しており、膜(ファシア)を通じて横隔膜や胸郭、頸部へとつながるネットワークの一部でもあります。
鼻詰まりとはどういう状態か?
鼻詰まりは「鼻の中が詰まる」だけではありません。
実際には次のような複数の要因が関係しています。
- 鼻腔粘膜の腫れ(アレルギー、ウイルス、乾燥)
- 頭蓋骨(特に蝶形骨や篩骨)の動きの低下
- 頭頸部や顔面のリンパ循環の滞り
- 自律神経の乱れ(交感神経過緊張)
「鼻」そのものに原因がある場合もあれば、「鼻以外の場所(特に内臓や自律神経)」から影響を受けている場合もあるのです。
盲腸と鼻づまりの“間接的な”つながり
① 自律神経の反射ルート
虫垂や腸は交感神経でT10〜T12あたりから支配されています。(Tというのは「胸椎」のこと)
この領域が緊張していると、自律神経全体が過剰に働きやすくなり、鼻の粘膜が収縮してうっ血し、鼻づまりが起きやすくなります。
② 膜(ファシア)を介した影響
虫垂がある回盲部は、腸間膜→腹膜→横隔膜→胸膜→頸部筋膜→頭蓋の硬膜とつながる膜のネットワークの出発点の一つです。
例えば
- 虫垂炎の既往
- 手術での癒着
- 慢性的な右下腹部の緊張
これらがあると、膜の緊張が連鎖し、横隔膜の可動制限→胸郭の制限→頸部の緊張→鼻腔周囲のうっ血へと影響が波及することがあります。
③ 腸内環境と免疫系の関係
腸と鼻は**「粘膜免疫」という共通の防御システムを持っており、腸内環境が乱れると免疫過剰反応(アレルギー性鼻炎など)**を引き起こしやすくなります。
特に虫垂は、腸内フローラのバランスを保つ役割があるため
- 虫垂炎の既往
- 腸内細菌の乱れ
- 消化不良や便秘
などがあると、慢性的な鼻詰まりや鼻炎の引き金になることがあるのです。
アレルギー性鼻炎の原因
アレルギー性鼻炎は、アレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)と、それに過敏に反応してしまう免疫システムの乱れが原因です。
主なアレルゲン
- 花粉(スギ、ヒノキ、ブタクサなど)
- ハウスダスト、ダニ
- カビ
- 動物の毛やフケ
- 化学物質や香料
免疫反応の流れ
- アレルゲンが鼻の粘膜に付着
- IgE抗体が作られ、肥満細胞に結合
- 再度アレルゲンが入るとヒスタミンなどを放出
- 鼻水・くしゃみ・鼻づまり・かゆみなどが発生
なぜ免疫が過敏になるのか?
- 腸内環境の悪化(免疫の約70%は腸が担う)
- 自律神経の乱れ(交感神経優位で粘膜乾燥)
- 肝臓・副腎疲労(炎症コントロールの低下)
- 呼吸の浅さ(循環・リンパ流低下)
- 睡眠不足・栄養不足(ビタミンD、オメガ3、亜鉛)
- 慢性ストレス(免疫暴走)
このように、鼻炎も「鼻だけの問題」ではないのです。
オステオパシーでの施術例
- 虫垂・回盲部のリリース
腹部の緊張を緩めて膜の連鎖的緊張を解消 - 横隔膜・胸郭の調整
呼吸と循環を改善し、鼻腔のうっ血を軽減 - 頭蓋仙骨療法
蝶形骨や篩骨の可動性を回復し、副鼻腔の排液を促進 - 内臓マニピュレーション
腸・肝臓の働きを整え免疫バランスを回復
■ セルフケア
- 腸内環境を整える(発酵食品、食物繊維)
- 腹式呼吸で横隔膜をしっかり動かす
- 右下腹部を冷やさない
- 睡眠と栄養バランスを確保
- 室内の加湿と換気を心がける
まとめ
鼻の不調がなかなか改善しない場合、意外にも**「お腹」や「内臓」からの影響**が隠れているかもしれません。
そね整骨院では、症状のある部位だけでなく全身を診るオステオパシー施術で、根本改善をサポートしています。
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