〜全身を一つにまとめる“張力のネットワーク”〜
膜とは何か
「膜(まく)」という言葉を聞くと、多くの人は「何かを包むもの」「臓器を覆う薄い組織」といったイメージを持つかもしれません。
しかし、治療家の世界では、膜は単なる“包み”ではありません。
膜は筋肉や内臓、骨、神経、血管などを包み、全身をひとつにつなげる情報伝達ネットワークとして機能しています。
その張力のバランスが崩れると、離れた場所に痛みや不調が出ることも少なくありません。
たとえば、足裏の筋膜が硬くなることで、首の動きが悪くなったり、頭痛が出たりすることもあるのです。
身体は「点」ではなく「線と面」でつながっており、膜はその橋渡しをする重要な構造体といえます。
膜の役割:仕切るだけでなく、伝える
膜の役割は大きく分けて3つあります。
- 包む:各臓器・筋肉を形作り、位置を保つ。
- 仕切る:異なる組織同士の摩擦を防ぎ、滑走を助ける。
- 伝える:張力や圧力、炎症などの情報を遠くまで伝える。
つまり膜は、「身体の構造を保つフレーム」でありながら、「感覚を共有するアンテナ」でもあるのです。
この膜がスムーズに滑らない状態(=滑走不全)になると、筋肉がうまく動かなくなり、痛み・こり・しびれなどの原因になります。
代表的な膜と臨床エピソード
筋膜:第二の骨格
筋膜は全身を蜘蛛の巣のように張り巡らせる構造で、「第二の骨格」とも呼ばれます。
足底筋膜の硬さが首や背中の緊張を引き起こすこともあり、身体の離れた部位をつなぐ典型例です。
臨床例:デスクワークで首こりが取れない方に足底のリリースを行うと、首の動きが一気に改善したケースもあります。
これは筋膜の連続性によって、張力が全身に波及していたことを示しています。
硬膜:頭蓋と仙骨をつなぐ大黒柱
硬膜は脳と脊髄を包む膜で、頭蓋から仙骨まで連続しています。
緊張が強まると、頭痛やめまい、自律神経の乱れが生じやすくなります。
臨床例:長年の腰痛が改善しなかった方に対し、頭蓋リリースを行ったところ、腰の動きが軽くなったという例もあります。
これは硬膜のテンションが全身の姿勢や自律神経に影響していたためです。
胸膜・腹膜:呼吸と姿勢を支える膜
肺を包む「胸膜」、内臓を支える「腹膜」。
これらは横隔膜を介して一体となって動いています。
臨床例:呼吸が浅く、肩こりがひどい方の腹膜を緩めると、呼吸が深くなり、自然と肩の力も抜けていきました。
内臓や呼吸の膜の緊張が、姿勢や関節の動きを制限していたのです。
腸間膜:内臓と骨格を結ぶブリッジ
腸間膜は腸を吊り下げる構造で、腰椎や骨盤にテンションを伝えます。
便秘や下腹部の違和感がある方は、腰痛や骨盤の歪みを伴うことが多いのもこのためです。
臨床例:慢性的な腰の張りを訴える方の腸間膜をリリースしたところ、腰の可動域が広がり、同時に便通も改善しました。
治療家が見るべきポイント
膜は単なる“付属物”ではなく、全身の統合を司る鍵です。
局所だけを緩めるのではなく、膜の連続性を意識したアプローチが重要になります。
- 局所に硬さがある → それを引っ張る遠隔部位を探す
- 呼吸・姿勢・ストレス・内臓の動き → すべてが膜の緊張として現れる
膜の治療は「どこを緩めるか」ではなく、「なぜそこが緊張したのか」を探る作業です。
それが、オステオパシーの根本的な考え方でもあります。
そね整骨院の膜アプローチ
上田市のそね整骨院では、オステオパシーをベースに膜のつながりを重視した施術を行っています。
筋肉や関節の痛みだけでなく、内臓や自律神経のバランスを整えることで、身体の内側から回復を促します。
メディセルによる筋膜リリースや、頭蓋リズムを整えるクラニオセイクラル、内臓調整などを組み合わせ、「なぜそこが硬くなったのか?」を追求しながら、根本原因にアプローチします。
肩こり・腰痛・自律神経の乱れ・姿勢不良・内臓疲労
これらの背景には、必ず「膜の緊張」が存在します。
まとめ:膜を読む力が治療を変える
膜は身体を「点」でなく「線と面」で理解するための入り口。
それを読み解くことで、症状の本質が見えてきます。
痛みのある場所を揉むだけでは、すぐに元に戻ってしまう。
しかし「膜のつながり」を通して全体を整えることで、
呼吸が深まり、血流が良くなり、身体の自己治癒力が引き出されていくのです。
そね整骨院では、膜の視点から全身を整え、
「なぜ不調が起こったのか」を一緒に紐解いていきます。
【この記事を読んだ方へおすすめ】
- オステオパシーとは?根本から身体を整える治療法
- なぜ慢性痛は”治らない”のか?
- 足趾を整える5本指ソックスで姿勢まで変わる!
- そね整骨院で受けるオステオパシーを活かした交通事故治療
- 子どもの成長痛1(膝編)親御さんに知っておいてほしい治療法|上田市 そね整骨院
【そね整骨院|上田市緑ヶ丘】
慢性痛や不定愁訴に対するオステオパシー徒手療法に特化した整骨院です。
そね整骨院
〒386-0022長野県上田市緑ヶ丘3-21-9
🕐 診療時間:8:00〜12:00 / 15:00〜19:00(土曜午後・日祝休)
【HP】にて診療日にご確認をお願い致します。

当院は 予約優先制 です。
お電話は「営業時間内 8:00~12:00/15:00〜19:00」に
TEL ► 0268-84-2098 までご連絡ください
ご予約はコチラ 今すぐ予約する ►