〜流行りの言葉に隠れた、治療家が本当に見るべき領域〜
自律神経施術が増えている背景
最近、「自律神経を整える」「自律神経の施術」という言葉を多くの治療院や整体サロンで目にするようになりました。
ストレス社会、スマホ過多、睡眠不足、不規則な生活
こうした現代的な要因が重なり、自律神経の乱れに悩む人が増えています。
そのため、「自律神経を整える」というフレーズは、患者さんにとってもわかりやすく、共感されやすいキーワードです。
しかし、ここにひとつの落とし穴があります。
それは “言葉だけが一人歩きしてしまう” こと。
リラックスさせるだけでは足りない
「自律神経を整える」と聞くと、多くの方が
「副交感神経を優位にしてリラックスさせる」というイメージを持つかもしれません。
確かに、リラクゼーションやストレス緩和は大切です。
ただし、それだけでは本質的な“自律神経の調整”にはなりません。
自律神経は全身に広がるネットワークであり、
脳・脊髄・内臓・血管・筋肉・膜構造のすべてと連動しています。
つまり、単にリラックスさせることは結果の一部であり、
その「過程」にはもっと複雑な構造と仕組みが関係しているのです。
本来、治療家が診るべき範囲
そね整骨院が考える“自律神経施術”とは、
「神経を直接いじる」ことではなく、神経が本来働ける環境を整えることです。
そのためには、次のような領域を統合的に診る必要があります。
✅ 呼吸と横隔膜を介した循環の調整
呼吸は、自律神経バランスを整える最も基本的な機能です。
特に横隔膜は「呼吸」「循環」「内臓機能」をつなぐ要。
呼吸が浅くなれば、交感神経が優位に傾き、内臓の血流やリンパの流れも滞ります。
逆に、横隔膜をリリースし呼吸を深めることで、副交感神経が自然に働きやすくなり、心身が落ち着く状態を“結果として”導くことができます。
✅ 内臓ファシアを通じた神経への波及
内臓を包む「ファシア(膜)」は、自律神経の末梢線維が豊富に走行する領域です。
肝臓や胃、腸などの動きが制限されると、迷走神経や交感神経節への負荷が高まり、
自律神経のバランスが崩れやすくなります。
オステオパシーの内臓アプローチでは、膜の滑走性を取り戻すことで、神経伝達や循環を改善し、自然治癒力を高めることが可能になります。
✅ 頸胸部・頭蓋を通じた迷走神経・交感神経の調整
迷走神経は「脳幹」から出て、首や胸を通り、心臓・肺・胃などに広がる神経です。
また、交感神経の重要な中継点である「星状神経節」や「頸部交感神経節」も、首周りに位置しています。
そのため、首肩の緊張や胸郭の硬さがあると、迷走神経や交感神経の働きが阻害され、自律神経の乱れを引き起こします。
頭蓋調整や頸胸部のアプローチを通じて、神経系の通り道を解放することは、非常に重要な臨床ポイントです。
✅ 硬膜系・脊柱全体のテンションバランス
硬膜は、脳から仙骨まで連続する“神経の膜”です。
脊柱の歪みやテンション不均衡は、この硬膜の緊張を通して中枢神経にストレスを与えます。
硬膜のバランスを整えることで、頭蓋・脊髄液の循環がスムーズになり、神経系全体の働きが整いやすくなります。
そね整骨院では、クラニオセイクラル(頭蓋仙骨療法)を用いて、脳脊髄液の流れと神経系のリズムを整えています。
頭蓋施術=自律神経施術ではない
ここで誤解してはいけないのは、「頭蓋施術=自律神経施術」ではないという点です。
確かに、頭蓋や内臓の施術は自律神経に大きく関わります。
しかしそれは、「自律神経だけを狙っている」わけではありません。
あくまで目的は “全体の調和”。身体の構造と機能が調和すれば、結果として自律神経も安定していくのです。
この「結果として整う」という視点こそ、本物の臨床に欠かせない考え方です。
【治療家の真価は“範囲の捉え方”にある】
患者さんに「自律神経を整えます」と伝えるのは簡単です。
しかし、治療家としての真価は、その言葉の“中身”をどれだけ理解し、扱えているかにあります。
- どこまでを施術範囲と捉えるか
- 何を整えることで自律神経が安定するのか
- どの順序でアプローチするのが適切か
この「診方」が臨床結果を左右します。
そね整骨院では、単にリラックスを与える施術ではなく、解剖学・生理学・膜構造・臨床経験を統合した
“根拠ある自律神経アプローチ”を行っています。
まとめ:流行ではなく、本質としての自律神経施術
「自律神経を整える」という言葉は、今や一般的なフレーズです。
しかし、その裏にある構造・機能・膜・神経・循環を理解していなければ、施術は“流行り言葉”で終わってしまいます。
私たち治療家が目指すべきは、自律神経を“狙う”ことではなく、自律神経が自然に整う環境を“つくる”こと。
呼吸、内臓、膜、頭蓋、脊柱、それらを統合して整えることこそが、本当の意味での「自律神経施術」です。
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