〜構造と機能のアンバランスにアプローチする自然療法〜
子どもの「落ち着きのなさ」や「集中力の低下」、感情のコントロールが難しい状態などに悩む保護者の方は少なくありません。特に「ADHD(注意欠如・多動症)」と診断された場合、薬物療法以外にできることを探している方も多いでしょう。
今回は、**オステオパシー(Osteopathy)**という徒手療法の視点から、多動の子どもに対してどのような支援が可能かを解説します。単に「行動を抑える」のではなく、「身体と神経の調和を取り戻す」ことを目的とした自然なアプローチです。
多動とは何か?〜行動の背景にある“神経のアンバランス”〜
「多動」というと、「じっとしていられない」「話を聞かない」「すぐに動いてしまう」といった行動面に目が行きがちです。しかし、これらの行動はあくまでも「結果」であり、その背景には神経の興奮状態や感覚処理の過敏さ、身体のアンバランスが隠れていることが多いのです。
代表的な特徴としては以下のようなものが見られます
- 注意が散漫、集中できない
- 衝動的に行動してしまう
- 感覚過敏(音や光、触覚など)
- 姿勢が崩れやすく、じっと座っていられない
- 不器用さ、身体の緊張感
オステオパシーではこれらの特徴を、**“構造(骨格・筋膜・内臓)と神経の機能的アンバランス”**ととらえ、身体全体の調和を図ることで行動や情緒にも変化が現れると考えます。
自律神経の問題と多動の関係
多動の子どもは、交感神経が過剰に働き、副交感神経(リラックスモード)が働きにくい傾向にあります。いわば「常に戦闘モードで走り続けている状態」です。
このような自律神経のアンバランスは、次のような要因で引き起こされることがあります
- 出産時のトラウマ(帝王切開や吸引分娩など)
- 頭蓋骨の歪み(出産時の圧力、転倒)
- 呼吸の浅さ(口呼吸、肋骨や横隔膜の硬さ)
- 内臓の緊張(便秘、消化不良)
これらが複合的に絡み合うことで、脳や神経の機能に影響を与え、落ち着きのなさや集中力の低下を招いてしまいます。
頭蓋仙骨療法(クラニオセイクラルセラピー)
オステオパシーで多動の子どもによく用いられるのが「頭蓋仙骨療法(クラニオセイクラル)」というアプローチです。
これは、頭蓋骨(クラニウム)と仙骨(サクラム)を結ぶ脊柱管内の脳脊髄液の流れを調整し、自律神経のバランスを整える施術法です。子どもに対しては非常にやさしいタッチで行うため、リラックスして眠ってしまう子も多いほど。
とくに以下のような部位を丁寧にリリースしていきます
- 環椎後頭関節(首の最上部)
- 後頭乳突縫合(頭蓋骨のつなぎ目)
- 蝶形後頭結合(SBS:脳の中枢に近い骨)
- 仙骨と硬膜のリズム(脳脊髄液の流れ)
これにより、脳全体の興奮を鎮め、交感神経の過緊張を和らげる効果が期待できます。
内臓マニピュレーション(内臓の調整)
意外に思われるかもしれませんが、多動の子どもには内臓の緊張が関係しているケースもあります。
たとえば
- 肝臓や胃の硬さ → 感情のコントロール低下
- 腸の蠕動不足 → 便秘 → イライラ感の増加
- 横隔膜の硬さ → 呼吸が浅く、過活動傾向に
内臓の動きが悪いと、それが周囲の神経や筋膜に影響し、自律神経の乱れにつながります。
オステオパシーでは、内臓の可動性をやさしく取り戻す「内臓マニピュレーション」を通じて、身体の内側から落ち着きを促します。
栄養指導:腸と脳を整える「食」の重要性
オステオパシーでは、**「身体を作る材料としての食事」**の重要性も無視できません。
近年では「腸脳相関」と呼ばれる概念が注目されており、腸内環境が脳の状態に深く関係していることがわかってきました。
多動傾向の子どもには以下のような栄養的サポートが効果的です
- 砂糖・添加物を控える:血糖値の急上昇が神経を過敏にします
- 乳製品や小麦を減らす:腸の炎症や過敏反応を防ぐ
- ビタミンB群・鉄・亜鉛・マグネシウムの補給:神経の安定を助ける
- 発酵食品や食物繊維で腸内環境を整える
親御さんが「できること」のひとつとして、食事の見直しはとても大きな支えになります。
そね整骨院でできること
当院では、以下のような視点から多動のお子様への施術・サポートを行っています。
✅ 頭蓋仙骨療法による神経系のバランス調整
✅ 内臓マニピュレーションによるお腹からの安定化
✅ 骨盤・背骨・姿勢の調整
✅ 呼吸の質を高める施術(横隔膜・肋骨・腹筋)
✅ 保護者への食事・生活指導
✅ 必要に応じて睡眠や感覚過敏へのアドバイス
お子様の個性を否定するのではなく、「その子が本来持つ力を引き出す」ためのサポートが私たちの目的です。
最後に:子どもの未来を信じて寄り添う
多動傾向のある子どもたちは、感受性が強く、想像力豊かで、独自の才能を持っていることが多いものです。ただ、そのエネルギーをうまくコントロールする「身体の土台」が整っていないだけ。
オステオパシーのアプローチは、その「土台作り」を支える手段のひとつです。
薬に頼りすぎず、子どもたちが心身ともに健やかに成長できるよう、一人ひとりに合わせたサポートを行っていきたいと思います。
上田市で多動・発達のお悩みなら「そね整骨院」へ
お子様の落ち着きのなさ、感覚過敏、集中力の低下などでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。整骨院という枠を超え、オステオパシーの視点から全身を丁寧に検査・施術し、お子様とご家族にとって最善の道を一緒に考えてまいります。
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【そね整骨院|上田市緑ヶ丘】
慢性痛や不定愁訴に対するオステオパシー徒手療法に特化した整骨院です。
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