五十肩と内臓・経絡のつながり ― 肩の痛みは肩だけの問題ではない?
「肩が上がらない」「夜にズキズキ痛む」――40代後半から50代に多く見られる「五十肩(肩関節周囲炎)」。
一般的には「年齢によるもの」「運動不足のせい」と考えられがちですが、実は内臓の不調や経絡(けいらく)の乱れが深く関わっているケースも少なくありません。
今回は、東洋医学の経絡の視点とオステオパシーの考え方を組み合わせ、五十肩と内臓のつながりについて解説します。
五十肩とは?基本的な理解
五十肩は正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれ、主に以下の症状を特徴とします。
- 肩の可動域制限(腕が上がらない、後ろに回らない)
- 夜間痛(寝ているときにズキズキ痛む)
- 慢性的な肩のこわばり
筋肉や関節包の炎症・癒着が原因とされますが、なぜ炎症が長引くのか、なぜ夜に痛むのか――その背景を探ると「内臓や経絡」の影響が見えてきます。
五十肩と関わる経絡
1. 大腸経(手陽明大腸経)
- 肩前面から腕の外側を通る経絡。
- 内臓では大腸とつながり、便秘や腸内環境の乱れが肩の痛みとして現れることがある。
- 「肩の前が痛い」「物を前に伸ばす動作がつらい」という症状とリンク。
2. 小腸経(手太陽小腸経)
- 肩後面から肩甲骨の周囲を通る経絡。
- 小腸だけでなく心臓とつながり、血流や循環が滞ると肩の可動域が狭くなる。
- 「背中側に手を回せない」「洗濯物を干せない」といった動作障害に関与。
3. 心経・心包経
- 胸から腕の内側を通る経絡。
- 精神的ストレスや自律神経の不調が肩の夜間痛に現れることがある。
- 「夜ズキズキして眠れない」という典型的な五十肩症状の裏に心・心包の関与あり。
4. 胆経(足少陽胆経)
- 側頭部から体側・股関節に至る経絡。肩の外側を通過する。
- 肝胆の働きが悪いと筋肉の柔軟性が失われ、肩の動きが制限されやすい。
- 脂っこい食事やお酒の習慣が強い方は注意。
内臓とのつながり
肝臓・胆のう
- 肝は「血」を蓄え、筋や腱の柔軟性を司る臓器。
- 肝胆が弱ると筋肉が硬くなり、肩の動きがスムーズでなくなる。
- 「疲れやすい」「目がかすむ」といった症状を伴うことも。
心臓・小腸
- 心は血流を、小腸は栄養の吸収を司る。
- 血流の滞りは炎症を長引かせ、夜間痛を悪化させる要因になる。
大腸
- 老廃物の排泄が滞ると肩前面の大腸経に影響が出る。
- 便秘のある方は肩の前面痛と関連するケースも多い。
オステオパシーの視点
オステオパシーでは「人体はひとつながりの構造」と考えます。
五十肩の背景にあるのは、肩関節だけでなく以下の要因です。
- 膜の連続性:胸郭・横隔膜の硬さ → 肝臓や胃の緊張が肩に波及
- 循環の停滞:心臓や腎臓の働きの低下 → 肩の炎症が治りにくい
- 自律神経の乱れ:夜間痛・不眠を招く
肩の動きを改善するには、肩だけを施術するのではなく、内臓や膜構造を含めた全身的なアプローチが不可欠です。
臨床でよくあるケース
- 「便秘気味で肩の前が痛い」 → 大腸経と関係
- 「ストレスが強く眠れない。夜肩がうずく」 → 心包経と関係
- 「脂っこい食事・お酒好き。肩が外側に痛む」 → 胆経・肝胆と関係
- 「背中に手を回せない」 → 小腸経と関係
まとめ
五十肩は単なる「加齢現象」や「肩の使いすぎ」ではありません。
経絡を通じて内臓の不調が肩に投影され、結果として炎症や可動域制限につながるのです。
そね整骨院では、肩の施術だけでなく、内臓や膜へのアプローチを組み合わせることで、より根本的な改善を目指しています。
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