インスリンこそが、体脂肪蓄積の主役だった
「カロリーさえ減らせば痩せる」
多くの人がそう信じています。しかし治療家として日々患者さんの身体を診ていると、単純なカロリー理論だけでは説明できないケースに本当によく出会います。
同じカロリーを摂っていても、太りやすい人とそうでない人がいる。その違いはどこにあるのか。
鍵を握るのが**「インスリン」**というホルモンです。
インスリンは血糖を処理するだけのホルモンだと思われがちですが、生理学的に見るとそれだけではありません。インスリンには、栄養を細胞へ取り込む働き、脂肪合成を促進する働き、そして脂肪分解を抑制する働きがあります。さらに炎症・血管・自律神経にまで関与する、非常に強力な同化ホルモンです。
糖質・脂質・タンパク質、すべての栄養素でインスリンは分泌されます。ただし、最も強く分泌を刺激しやすいのが糖質です。
つまり、血糖変動が大きい食生活を続けていると、インスリンが過剰に分泌され続け、身体は慢性的に「脂肪を溜め込みやすい状態」へと傾いていくのです。
「痩せない理由」は意思の弱さではない

痩せない原因として、よく挙げられるものがあります。
• ホルモンバランスの乱れ
• 薬の影響
• 疾患
• ストレス
• 年齢
確かにこれらはすべて関係しています。しかし根本的な話をすれば、身体は消費より摂取が少なければ変わります。これは生理学の基本原則です。
腹を引っ込めたいと思うなら、やることはシンプルです。
• 寝る
• 筋トレする
• 食べすぎない
• 糖質を暴れさせない
これを静かに積み重ねること。派手な必殺技より、地味な生理学が一番強い。身体は流行ではなく、生理学で動いています。
ただ、ここで大切なことをお伝えしたいのです。
「痩せない人は意思が弱い」とは、必ずしも言えません。
慢性的なストレス状態にある人は、コルチゾールが優位になります。その結果、過食・睡眠低下・インスリン抵抗性・内臓脂肪増加が起きやすくなる。つまり、生理学的に太りやすい状態に追い込まれているケースが本当に多いのです。
意思の問題ではなく、身体の状態の問題。そこを無視して根性論だけで語るのは、治療家として正直に言えません。
「そんなに食べていない」のに太る、その理由

現場でよく聞く言葉があります。
「そんなに食べていないんですけどね…」
でも実際に話を聞いてみると、こんなことが積み重なっていることが多い。
• 間食(少しだからと油断しがち)
• 甘い飲み物(これがかなりの盲点)
• パンや麺類の頻度
• 夜の糖質摂取
• ストレス食い
特に血糖変動を大きくしやすいのが、精製糖・小麦系食品・液体糖質・高GI食品・頻回摂取です。
私は糖質ゼロを勧めているわけではありません。糖質は脳・筋肉・神経・代謝に必要な栄養素です。問題なのは「本人が気づいていない余剰」です。
そして、加齢とともに身体は「成長モード」から「維持・修復モード」へと変わっていきます。若い頃と同じ量の糖質を処理できなくなっていくのです。
慢性的な高インスリン状態は、脂肪分解の抑制だけでなく、慢性炎症・血管機能低下・自律神経の乱れ・眠気・集中力低下・内臓脂肪蓄積といった問題にも繋がっていきます。
だから大事なのは極端な制限ではなく、その人に合った糖質量を知ること。年齢・活動量・筋肉量・睡眠・ストレス・自律神経・内臓状態、これらすべてで必要量は変わります。
最強のダイエット、それは結局これだった

では最強のダイエットとは何か。答えはシンプルです。
「筋トレ」「有酸素」「必要栄養素」、そして摂取カロリー < 消費カロリー。
はい、結局そこです(笑)
ただし重要なのは、「ただ減らす」ではないこと。筋肉を落とし、代謝を落とし、交感神経だけで削る減量は、ほぼリバウンドします。
大切なのは以下をセットで行うことです。
• タンパク質をしっかり入れる
• 筋量を維持する
• 血糖変動を暴れさせない
• 睡眠を崩さない
• 有酸素で循環を回す
• NEAT(日常活動量)を落とさない
身体は生理学から逃げられません。最強のダイエットとは、この地味な積み重ねを、自分の身体の状態に合わせて丁寧に続けることです。
治療家として伝えたいこと
最後に、少し身も蓋もないことを言います(笑)。
「痩せない」は、ある程度は言い訳です。もちろん、ホルモンや疾患など本当に難しいケースもあります。でも多くの場合、生活習慣の中に「気づいていない余剰」が必ずあります。
そして同時に、こうも思います。
痩せられないのは根性がないからではなく、正しい生理学の知識がないまま、間違った方法を続けているからかもしれない。流行のダイエット法に振り回され、身体の仕組みを無視したやり方をしていれば、結果が出ないのは当然です。
そね整骨院では、身体の構造や機能を整えることを通じて、こうした「身体の状態」に向き合っています。痩せない、疲れやすい、なんとなく不調、そういった訴えの背景に何があるのかを一緒に考えていきたいと思っています。
派手な方法はいりません。地味な生理学を、あなたの身体に合った形で積み重ねていく。それが、長く続く変化への唯一の道だと信じています。
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